*パクりって話が出たじゃない?でもパクりってどちらかと言えばネガティブな印象の方が多いんじゃないの? 「私は実はそうは思っていない。先に言った通り、完コピの方が私には難しいよ。途中で自分の先入観が入ったり、単純に理解が浅かったり、ミスったりして、いくらかは異形のブツになるから。」 *そういうのがダメって言ってくる人がいるんじゃないかしら? 「そう?なら何故生物は進化する?遺伝子コピー上のエラーと自然淘汰の産物じゃないか。てか、ウィルスの話とかはしたくないけど、考えるよりこちらの方が合理的だったりするよ。」 *それもそうね。 「だから1番大事なのは手数。強いて言えば近親相姦は良くないから色んな事を手広くやる事だと思ってる。つまり何も気にせずどんどんパクれと。」 *パクり推奨派か。間違いなく日記だけは手数王になってるけど…。 「先日の書籍の中にマイルス・デイヴィス研究本があったけど、まぁ、この人はJAZZ界の帝王とされてる最重要人物ね。」 *ミニ四駆と何も関係なくない? 「JAZZなんてオワコンなんだが、ビートルズが流行した頃には既にオワコンだったと。で、とにかくライバルのロックとかファンクとかをパクってJAZZを延命し続けようとしてたんだが、実はこの人めちゃくちゃ不器用で、全くパクり切らず、得体の知れない音楽を量産し続けた人だ。」 *なんだよそれ。 「そう。正になんだよそれ?の宝庫。この"ブラック・サテン"の入ってる"On the Cornerってアルバムも、子供達に踊って欲しいダンスミュージックと言っておきながら、シュトック・ハウゼンを取り入れたとか訳わからん事を言って発表当時はガン無視食らったらしい。」 *それじゃあ全然ダメじゃないの? 「これが評価されたのは80年代入ってから。ポストパンク〜テクノの時代になって、ようやく彼に理解が追いつくという厄介ぶりで。ダブミュージックが既に1972年に開発されていたと驚いたらしい。」 *時代の先駆者だった訳ね。 「表向きはね。だがJAZZ界からは常にはみ出し者で、メディアへのリップサービスも欠かさず、悪評に対する悪口のやり返しが超絶上手かったのさ。ただひたすらに挑戦と挑発を繰り返す猛者。ネット社会になってもその信念は必要だなって思ってるよ。結構どうにかなるってね。」
2021/05/10 23:23:54