The World of Spirit

文系/理系はなぜ?そしていつから仲が悪くなったのか?というのは諸説あるかと思うが、私の持論としてはカント晩年の『移行』問題が強く影響した結果では?と思っている。 もっとも、この『移行(オプス・ポストゥムム)』はカントの老衰で未完に終わるが、カントはこの時とある学者を批判し、アカデミアでの評価を下げようとした。つまり喧嘩を売った訳だが、その学者こそアイザック・ニュートンだったというのが思わず仰天しそうな話である。 いささか刺激が強過ぎる話である。アカデミア内は混乱しただろうし、それ以上に学生たちが困惑したに違いない。そして「カントはオワコン」説や「オマエはどちらについていくつもりだ?」「カント?いや、ニュートンだ。」なんて話が出ていたと想像するに容易いが、カント派か?ニュートン派か?というのがこの問題のプロトタイプだと思っている。 しかしながら上っ面の派閥闘争よりは、その争点に注目すべきであり、その内容はエーテル説、今で言う量子力学だったという所である。ずっと後になって、この分野に欠かせない天才アルベルト・アインシュタインが登場するまではずっと平行線のままだったんじゃないか?だとか、元々そこに辿り着く者も少なかったんじゃないかと思うが、目に見えない物理法則をめぐって哲学と数学が激しく衝突するのは今でもだろう。カントの死に際のセリフが「それでいい。」だったのは有名な話である。 今年に入ってからのカント再評価(そんなもんあるか?)では当時とは真逆になっていて、SNS〜AI〜量子論を通過した理系にとってはカントが真新しく鮮明に見えるようであり、文系にとっては相変わらず古く、使い道を無くしたものとして無視されるか、「カントは禁止カード」(笑)として激しく敬遠されるかどちらかという対称性を見せている。 まぁ、確かにポストモダン(つまりカント死後の哲学)の大半は似非科学と似非宗教が入り乱れたアヤしいものばかりなのだが...。どうやら「訂正はされない」ようだ。やれやれ。 もっとも「文系の父はカント、理系の父はニュートン」というこの話の中で、「大好きだった渚カオル君の正体が実はオヤジだった事に、シンジはいつ気付いたか?」というのが最重要任務になるが、これも大人子供が入り乱れるミニ四駆だからこそ言える話だと思って。

2023/11/18 08:13:39

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