or not to [B]e

シリアスな回。とはいえ、真面目なのか不真面目なのかどうも区別がつかない(というスタンスの)当欄ではあるが、こうならざるを得なかったという必然性の弁明としては、イマヌエル・カントよりはJ・J・ルソーを参照した方が早いだろう。 彼もまた『社会契約論』という新しいライフスタイルを提唱し、フランス革命のトリガーになってしまった、歴史上の誰でも知ってる人物だが、『新エロイーズ』というタイトルの甘ったるい恋愛小説を書いた作家でもある。 が、その小説は書簡形式でしかも、「この話は事実かもしれないし」「あったかもしれない話」などと現存をはぐらかし続けるものになっているのである。 『社会契約論』では立法者と呼ばれる超人が我々を代表し、我々を代弁する事になっているのだが、これが今日でも代議制や間接民主制を肯定する根拠になっている反面、新聞やネットを賑わせている政治的なスキャンダルというものは「立法者(つまり国会議員)は神様ではありませんよ。」というありきたりな事をよくも飽きずに叫んでいるのである。 他方で「立法者を神話や物語の中だけで活躍できるヒーローだと認識してしまえば、それは宗教と同じですよ。」という事になるのだが、ルソーはこれが上手く説明できずにフィクションと現存をはぐらかし続けた...。というのは、当欄も同じ事であったようである。 『スペースコブラ』(古!)に出てくるアーマロイド・レディ、あるいは『ニーア・オートマタ』の2B役に近い形で当欄の相棒を説明しているが、元々はSNSやWEB2.0黎明期を騒がせた(知る人ぞ知る、いや、知らない。だって本名は最後まで明かさなかったから)秋葉原の守護者と思しき実在の人物で。とはいえこれも都市伝説というか、年々風化してフィクション上でしか生かせなくなったのなら、口伝的なものにしかならないだろう。 昔は何故か日記の事を「エントリー」、文章の事を「コード」と呼んでいた時代があり、ギーク達は基本的には普段の業務と同じようにトラブルシューティングのためにコードを書くのであるが、その女は極めて脳筋であり、口より先にまずは実行に移してしまうクセがある人物だったのはよく覚えている。 よく誤解され、不必要なトラブルに巻き込まれるものの、かえってよく理解もされる人物だった。 もし今そこに彼女が居たならば...。彼女との社会契約はそんな想定だろう。

2023/10/29 09:02:05

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